July 16, 2006 ばとね感想。 : Game Talk
コンパクで金賞をとった「ばとね!!」をクリアしたのでかなり長い感想。
一言だけで言うなら、「演出やグラフィックが面白いし、アイデアも面白い。でもそれが全部微妙にかみ合ってない」って言う感じでしょうか。
まず一番の問題は「とっつきにくさ」かなー、と思います。
導入の仕方が下手なんですよね。
最初の連戦の時のコマンドの制限のされ方が
「あ、こういうコマンドもあるんだ」って言う発見じゃないんですよね。
いわばRPGにおける「不文律」をわざわざ説明してるようなものなんですが、ランダムエンカウントやアイテムの使い方なんかは一切説明がない。
つまり不文律の説明としてなら不十分だし、RPGのチュートリアルにしては「そんなん知ってるわ」の領域なんですよ。
結果、導入がすごい「ジャマくさい」ものになってしまう。
そのクセにプレイしていて疑問がぽこぽこ出てくるし。
# ステータス異常についてはヘルプ以外に一切情報が載ってないので、それこそチュートリアルで言えよ、みたいな。
「着替える」の説明のタイミングなんかは結構良くできていただけに、このOPの導入の下手さが余計に目に付く。
戦闘関連。
タイマンでの戦闘も、「たたく」「けとばす」などのコマンドの豊富さも、 ビジュアル的にはすごい面白かった。です。
全体的に派手派手な演出なので、とても楽しかったですし。
ただ操作感は思ったよりもずっと悪いです。
上下とシフトキーでコマンドを切り替えるの。防御を使いたかったらシフトキーを押してから、上。
左右を使わせろよ、って思うんだけど、その左右はPP割り振りに予約されちゃってて。
しかもそのPP割り振りがあまり使わないとなるとただひたすら煩雑なだけでした。
戦闘バランスはかなり秀逸でした。
と言うより秀逸すぎました。
バランスが過不足なさすぎて、アイテム使うチャンスが無いのよ。
と言うのも、防御するとHPが最大の10%、PPが2回復、防御しなくてもPPは毎ターン1回復します。
このおかげで弱い敵相手に防御しとけば完全回復はできるし、そんなことしなくても回復呪文はPP2消費して最大の50%程度簡単に回復する。
まあ、回復呪文はPPを最大16割り振れるんですが、 一次関数的にしか威力が上昇しないので、PP2消費だけでも充分。
だから「死なない」ってだけなら「防御→回復呪文」 で半永久的に続けることができるのよね 。
逆に、回復呪文が使えないとこのループができなくなり、非常に難易度が上がる、を通り越してボスなんかには勝てないです。
防御しても最大HPの2割近く削られるから、防御してたらジリ貧で死ぬし。
かといって一番威力の強い攻撃を使っても4%くらいしか削れない。
このバランスはなー、って感じはまぁやっぱりあります。うん。
あと水着取得辺りから急激に受けるダメージが増えるのもまた。
まぁ、回復がないと破綻するバランスってのはどんなRPGにでもいえるので、それをわざわざあげつらうのもどうかと言われそうですが。
FF12もMPが徐々に回復するので歩いてケアルループで充分、みたいな。
あと、戦闘はほぼすべての行動に「PP」を割り振ることが出来て、よりたくさんPPを割り振った方が威力が高いモノになるんですけど。
これはアイデアは面白いんですが、「導入するほどのことだったかなー?」ってのが感想です。
あくまで一次関数的な上昇で、しかも傾きがすごい弱いんですよね。
結果として、ほとんどPPは0か、1(魔法は最低1使わないと威力が無い)の攻撃で終わるんですよね。
なんというか、ドット絵のパターンを増やさないで、 威力のバリエーションを増やすために入れたシステムなのかもしれないけど、 ひたすら煩雑になっただけ、って気がします。
「あったほうが有利になるシステム」かもしれないけど、「なくても全然困らないシステム」なんですよね。
コレが無きゃ! 的なモノが無いというか。
あとダンジョン。
ダンジョンはすごい良く出来てました。
ギミックモノが好きな人間としては、色々と凝ったギミックがたくさんあって楽しかったです。
まぁ、基本的に「メモって覚えておく」だけで解けるギミックばっかりだったのがちょっと残念でしたが。
頭をひねらないと解けないギミックなんてのは プレイヤーの苦手ジャンルだったら永遠に突破できない、 さらには年齢層によってクリアできない層が出てくる…… なんてことになってしまうので、導入するのは難しいのですが。
ダンジョンは全体的に良く出来てたし、 遠い位置にある行き止まりには必ず何らかの宝箱があって、 「時間を無駄にしたー」って感じにはならなかったのが良かったです。
唯一「海」にただ何も無いだけの場所があったんですが、 それはその先の展開への伏線と言う構成。
エンカウント率も高すぎず、ちょっと少なめって感じで、 それがまたダンジョンをてけてけと楽しむことができるスタイルでよかったです。
ボスの直前にはワープが出てきて最初の場所に戻れたり、全滅時にはお金以外引継ぎで復活できるとか、そういう細かい気配りも良かったですね。
最後にシナリオー。
一言で言うと「オチを強烈にしようとしすぎた」のかな。
それこそ「オチに向けてどんどん盛り上げてどんどん衝撃の事実が!」ってシナリオなんだけど。
それ全部プレイヤーが音速で置いていかれるのよね。
今までただなんとなくで魔物倒してただけじゃん、とか。
そういうヌルいシナリオとしてやってきたことが全部裏目。
エンディング手前でオチがどうくるか分かるのですが、 なんかそれもなんというか「良かった良かった」でもないし、 「えー、そんなオチありっすか?」ってワケでもなくて。
ひたすらキョトンとしてしまうような終わりかただったのが残念。
色々なお約束(ネコミミとかコスプレとかメイドとか)は 「寒い」って切り捨てちゃえばそこまでだんだけど、 それは個人の趣味だと思うしコレはコレで実際アリだと思うんのでおいとくにしても。
やっぱりいろんな部分で「突拍子も無い展開」が多すぎってのが。
それを一つの作品として説得力を持たせるには、 場面や展開の基礎がコロコロ変わりすぎてて。
例えばなんとなくで人助けをする物語だって大量にあるじゃん。
その場の勢いで魔王倒す話だってある。
そういう話をそれなりの説得力を持たせるには、 なんで主人公がなんとなく人助けをするか、とか。
そういう主人公の哲学が見えないと分からないんだよね。
んで、それすらも「分からない」を前提で組む場合、
今度はその主人公以外にフォーカスを当てちゃダメになるんだわ。
主人公以外にフォーカスが当たって、その人間の哲学が、性格が、理論が見えてしまった時、それと対峙する主人公さらにブレるような作り方をしている場合はね。
ばとねはまさにソレで、主人公が潔癖症なまでに魔物を倒そうとする意図が全然見えない。
それなのに主人公以外が主人公をいろんな形で評価していく。
優しいとか、強いとか。云々。
でも主人公のキャラが見えないから、その言葉が全部見事に上滑りしてるんだよね。
ソレだったらもういっそのこと「なに考えてるか分からない」とか言わせたほうがずーーーっと分かりやすいし、理解できるのよ。
そういう、性格の見えなさとか展開のありえなさとか、シナリオ周りでものすごいゲームの足を引っ張ってる感がバリバリでした。
ということで、褒めるトコが独自戦闘とか演出のバカっぽさとかわざわざコスチュームとかレベルアップ時とかの説明が一枚絵とか。
ダンジョンの構成の妙とか。
そういう部分だけしか見当たらなかったのがなんとももったいないなー。
この辺ってあくまで「導入のためのネタ」であって「継続のためのパワー」ではないんですよ。
その継続させるためのパワーが全然足りないって言うのが。むむむ。
Written by T-Akf