September 21, 2006   シナリオにおける飛び道具 :  Others

シナリオにおいて、T-Akfが「飛び道具」と評価しているものは結構あって。
いわゆる「ギャグ」と「萌え」と「エロ」、そして「グロ」って飛び道具だと思ってます。
いや、前二つについてはかなり一般的だし、ギャグが無い小説は多くてもギャグが無い漫画やシナリオはウケない傾向が強いですが。
でも、そこに「脈絡を必要としない」って意味では飛び道具なんですよね。

ところが「シナリオ」って観点から見たとき、まったく脈絡が無いのは苦痛なんですよ。
特にそれが自分にとって興味が無いジャンルだった場合。
いきなり何の前触れもなく「はきゅーん」とか言うキャラがいて。
それに対して「萌えー」としか言えないような状況ってのは個人的に好きじゃない。
それが目的ならまだしも、それを目的としてないなら面白くないんですよ。

もっともっと分かりやすく、卑近な例を引っ張り出すなら、ショートコントなんかが当てはまりますね。
ショートコントにおいて、視聴者が求めるのは「笑い」なんですよ。
だから脈絡が無いシュールなギャグだろうが、何の前触れもなくドゥーン!って叫ぼうが笑えるわけ。
で、「笑い」を求めてない人、あるいは笑いを求めていてもツボに入らなかった人にとってはショートコントは激しく苦痛なんだよね。
「どこが面白のかわからん」とか「え? なんでここでいきなり小芝居入れるの?」とか。
だけど、笑いに対しての閾値ってすごく低いから、みんなそこまで違和感は感じないんだよね。
そもそも「笑うために見てる」んだから。

じゃあ、エロやグロはどうかって言うと、この辺の閾値は人によってかなり変化がある。
例えばスプラッタとかホラー映画とかだと、脈絡なくチェーンソー取り出して逆さ吊りにしたデブい青年のまたぐらからギャリギャリギャリってやって。
さらに実はそれは特に意味はありませんでした!! サイコホラー!  とか適当ぶっこいても「まぁスプラッタだししょうがないよね」で済むんだよね。
いやT-Akfは見ないけど。直接表現しかできないホラーも、スプラッタも嫌いだから。
エロもそうで、ただひたすらお子様にお見せできない描写を続けるだけのAVがある程度の需要が見込めるのはそう言う理由なのね。
視聴者が根本で求めるのはエロだから、「エロシーンにおける説得力」や「エロそのものの演出」とかが重要なの。
そこに至るプロセスも、その後の流れも、あんまり関係ないんだよね。
いやT-Akfは見ないけど。

ところが、いわゆるホラーじゃない作品でも、グロを武器にしない作品でも。
さらにエロを武器としていない作品においても、そう言う要素ってのはたまーに見かけるワケです。
じゃあ、それらの要素を見たときの反応ってのは、多分「説得力」なんじゃないかなー、と。
普通のミステリーにおけるグロいシーンとか。
世界名作劇場みたいなアニメにエロいシーンとか。
仮にそう言うモノを入れるとしたら、視聴者の一部は確実に拒絶反応を示すのよ。
いわゆる「萌え」なんてのもモロにそれでしょ。
アレが入った瞬間視聴者の多くは拒絶反応を示してるらしいし。T-Akfもあんまり好きじゃないし。
そこには説得力が必要だと思うんですよね。

何を目的としたゲームなのか、何を目的としたシナリオなのか。何を目的とした小説なのか、そして何を目的とした演出なのか。
その「目的」が無い状況での飛び道具って言うのは基本的に面白くないのよ。
萌えだってエロだってグロだってギャグだってそうなのね。
とりあえず「萌え」が目的の小説ならはきゅーんとか言えばいいよ。
でもミステリーにおいていきなりはきゅーんとか言ってたら、そのセリフに何らかの伏線を見出そうとしてしまうわけ。

私はその辺の飛び道具を、安直に使いすぎてる作品ってのを見かけるたびに「はいはい面白い面白い」と音速でさめる。
もちろん、こういったネタは大オチでひっくり返ることもあるので。
「まさかこうやってさめさせることが目的で最後にどんでん返しが!!!!」って淡い期待をしながら最後まで見ますけど。
んで、「実はマルチエンドなんじゃね?」とか「第二巻あるんじゃね?」とか「実はプロトタイプなんじゃね?」とか。
色々調べて。んで、最後に「俺の時間を返せ」と叫ぶのです。

ただ飛び道具としての威力しか持たないモノだったら最初から「エロいよ」って言えば良いんだよ。
最初から「グロいよ」って言えば良いんだよ。
それを言うことで面白さがスポイルされるとしたら、その作品の面白さなんてその程度なんだよ。
だって「グロであること」がネタバレになって、しかもそこから先が何も無いってコトでしょそれ。
面白くもなんとも無いじゃん。
最後に主人公がリスカして自殺! ああん斬新!
とか言ってもそこに説得力がなきゃ砂上の楼閣よりももろいよ。

Written by T-Akf

Trackbacks

このエントリーのトラックバックURL: http://p-sight.sakura.ne.jp/diary/mt-tb.cgi/390

Comments




ログイン情報を記憶しますか?


-Syndicate this site (XML)